わたしもそんなこと思っていました。
だってどのサイトを見てもそう書いてあるから。
例えばGronG公式HPにはこう書かれています。
EAA(Essential amino acid)とは、日本語で必須アミノ酸です。EAAを摂取していれば、9種の必須アミノ酸が網羅できているので前述のBCAAも必然的に摂取することになります。
引用:GronG公式HP
しかし、「サプリにおけるEAAは9種類なんかじゃない」んです。
よくよく調べてみると(いや、よく調べなくても)
8種類しかEAAが入っていない商品
21種類もアミノ酸が入っている商品
などメーカーによって様々なEAAサプリが売られています。
と思ったのでEAAとは一体なんなのかを調べつくしました。
この記事はわたしが間違って理解していたEAAについて
正しく理解するまでの涙あり笑いあり
ドキュメンタリーブログです(なにそれ)
第一章:「EAAに疑問をもつ」の巻
第二章:「EAAの意味を調べる」の巻
第三章:「景品表示法を調べる」の巻
第四章:「EAAサプリを比較する」の巻
第五章:「EAA9最強説」の巻
まとめ:よく考えたらEAAに限った話じゃなかった
で構成されています。
あいまいにEAAを理解されているわたしのような人
必須アミノ酸9種類摂れると思い込んで飲んでいる人
がもしいれば…と思い書きました。
ぜひ参考になれば幸いです。
✅この記事でわかること
- EAAの意味を知りたい人→第二章
- EAAサプリの比較を見たい人→第四章
- EAA9の口コミを知りたい人→第五章
だけを読んでいただければOKです。
↓目次からとべます↓
【第一章】EAAに疑問をもつの巻
ある日わたしはパワーハウスジムのEAAに出会いました。
商品説明にはこう書いてあります。
…でもこれ、プロテインでよくね?
そう、20種類のアミノ酸ってもはやプロテインじゃないですか。
でもこの疑問はすぐに解決。
なぜならプロテインとアミノ酸では吸収速度が圧倒的に違うから。
画像引用:味の素
となれば、プロテインと同じ内容が吸収速度の早いアミノ酸で摂取できる
パワーハウスジムのEAAって最強じゃね?
と思うわけです。
そして同時にこう思いました。
商品名は「アミノ酸20」とか、「ALLアミノ酸」とかでいいじゃない。
さらに逆を考えてみました。
内容量をみてみると
内容量:400g(50食分)※1食 8g当たり EAA 6850mg BCAA 4800mg
半分以上がBCAAで合成されています。
EAA以外のアミノ酸が含まれていてもEAAでいいのならば、
BCAA以外のアミノ酸が含まれているEAA商品は
BCAAと名乗ることも可能ではないのでしょうか。
ここで考えた仮説はこうです。
「EAAが注目されてきたから商品名にEAAって入れたいだけじゃないの?」
【第二章】EAAの意味を調べるの巻
と思ったのでWikipediaさんに聞いてみました。
タンパク質を構成するアミノ酸のうち、その動物の体内で充分な量を合成できず栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のこと
引用:Wikipedia
あれ?ここでわたしは間違いに気づきます。
EAA=9種類のアミノ酸
ではありません。
EAAはアミノ酸をさらに分類するための用語であり、
9種類のアミノ酸全てを指しているわけではないのです。
つまり「EAA≠ロイシン」だが「ロイシン=EAA」ということになる。
ロイシンはアミノ酸の名前のこと
EAAはアミノ酸の分類のこと
分類の枠組みをEAAというのであり、
EAA自体は個別のアミノ酸を意味しないし、
アミノ酸が結合したものを意味しないということです。
ここで考えた仮説はこうです。
「成分はBCAAの3種類しか入っていなくても商品名はEAAにできちゃう?」
「もはやそれって誇大広告じゃないの?」
【第三章】「景品表示法を調べる」の巻
ということで法律を調べてみましょう。
誇大広告といえばこれ、「景品表示法」。
しかし難しくてよくわからないのが正直なところ…。
あれ?もしかしてこの考えを応用できるかも?
と思った消費者庁のQ&Aをご紹介します。
Q.当社が販売する清涼飲料水の容器にオレンジの写真を掲載した上で、商品名を「オレンジドリンク」と記載するつもりなのですが、当該商品にはオレンジの果汁等は使用しておらず、香料等で味を調えています。この場合、どのような表示をすればよいのでしょうか。
A.当該清涼飲料水については、商品名を「オレンジドリンク」とし、また、容器にオレンジの写真を掲載しているにもかかわらず、オレンジの果汁等が使用されていないとのことですので、無果汁である旨の記載が必要です。記載に当たっては、商品名とオレンジの写真と同一視野に入る場所に、背景の色と対照的な色で、かつ、14ポイントの活字以上の大きさの文字で見やすいように記載する必要があります。なお、例えば、僅少な量(5%未満)の果汁が含有されている場合は、無果汁である旨又は果汁の割合(「果汁○%使用」等)を、上記無果汁の場合と同じように明りょうに表示する必要があります。
引用:消費者庁
はいはい。よくありますよねこれ。
メロンソーダってメロン使ってないし、
ファンタオレンジもオレンジ使ってないもんね。
サラダ味はサラダ油のサラダであって野菜使ってないし。
つまり
「商品名:オレンジジュース」でも「無果汁」って書けばいいのなら、
「商品名:EAA」でもその成分表をしっかり記載していれば
最悪EAAに分類されるアミノ酸が含まれていなくてもいい
ってわけだ。
こんな商品が作れることに。
絵が下手なのはご愛嬌ってことで…。
【第四章】「EAAサプリを比較する」の巻
ということで有名なEAAサプリを比較してみました。
完全版10種類はGoogleスプレッドシートにまとめています。
商品名 |
EAA9 |
Impact EAA |
Purple Wraath |
EAA |
メーカー |
VALX |
MYPROTEIN |
Controlled Labs |
POWER HOUSE GYM |
1杯あたりの量 |
25000 |
9000 |
12000 |
8000 |
ロイシン |
5500 |
3000 |
||
バリン |
2000 |
750 |
||
イソロイシン |
1500 |
750 |
||
フェニルアラニン |
1000 |
360 |
||
リジン |
2500 |
920 |
||
トレオニン (スレオニン) |
1000 |
730 |
||
メチオニン |
500 |
220 |
||
トリプトファン |
150 |
230 |
0 |
|
ヒスチジン |
500 |
200 |
||
BCAA合計 |
9000 |
4500 |
0 |
4800 |
EAA合計 |
14650 |
7160 |
7000 |
6850 |
それもそのはず、細かい成分表示は「任意表示」なんです。
栄養成分表示で定められている表示はこれだけ
- 熱量
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- ナトリウム
詳しくは消費者庁のpdfに載っています。
こうなってくるともう、
本当に9種類入っているのかさえわからないEAA商品
でも作っていいわけですよ。
そういえば成城石井で
「プロテイン」って表示されたきな粉
が売っていましたよね。
画像引用:キャリコネニュース
間違ってはいない、間違ってはいないんだけど、
なんでもあり感がつよいです。
【第五章】「EAA9最強説」の巻
商品名がEAAのサプリは表示さえしてあれば何でもあり
という結論に達したわけです。
ちなみにEAAの名称は「アミノ酸含有加工食品」
まあ商品名と名称はそもそも違いますし、
もとから何でもありっちゃ何でもありですよね。
ここで比較して気づいたことがあります。
EAA9最強じゃね?
よく見てほしいのですが、
群を抜いて各アミノ酸の量がおおい。
100gあたりの内容量で比較しろよ。
という反論はナンセンス。
サプリには付属スプーンが付いており
1回あたりの摂取量までキッチリ明記されている
ことがほとんど。
用法用量までも含めてそのサプリの力量
だとわたしは判断します。
それこそ各社、様々な研究に基づいて配合バランスを決めているでしょう。
例えばマイプロテインのEAAをEAA9と同等量摂取した場合、
トリプトファンがえげつない量になります。
摂取量まで提案してこそのサプリではないでしょうか。
おまけ:パープルラースが最強だろ
EAA9の生みの親、
山本義徳先生がオススメする
EAAサプリ「Purple Wraath」
山本先生の著書「タンパク質とアミノ酸 前編」でも紹介するほどです。
山本先生の著書はKindle Unlimitedなら30日間無料で0円読み放題できます。
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トリプトファンが含まれていないことで
意見がわかれる商品でもありますが、
トリプトファンまで説明すると長くなるので
本記事では割愛します。
近々トリプトファンについても調べてまとめようと思います。
【まとめ】よく考えたらEAAに限った話じゃないわ
ここで最初にもどります。
「サプリにおけるEAAは9種類なんかじゃない」
なんて言っていたわたしですが、よく考えたら
プロテインでもカフェインが入ってたり
糖質が入ってたりして
各社特徴をだそうとしているのだから、
EAAが9種類だと思っていたわたしがバカだった
という話。
EAA=9種類
なんて固定概念にとらわれると、
こんなに調べなきゃいけないことが多いだなんて
思いませんでした。
筋トレって奥深いですね。
大人しく安いプロテインでも飲んでおきます。
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